今回は、かつて遊郭として栄えた街、新潟県柏崎市の新花町を歩いてきました。
初めて元遊郭の街を散策してみて、歴史の深さと昭和レトロな雰囲気が感じられる、素敵な場所だと気付かされました。
不思議な区画割りを発見
JR東柏崎駅から徒歩およそ10分「新花町」。
ここにはかつて栄えた花街ならではの不思議な区画があります。

電子地形図25000(国土地理院)を加工して作成
約250mx120m四方で囲まれたエリア内に、縦と横2重の道路が交差している様子。


国土地理院で確認できる最古の地図が1960年代でしたが、ずっと同じ形。
おそらくこれ以前も街の形はずっと変わっていないのでしょう。
この一角は、かつて花街として栄えた歴史を持ち、今も細い路地や昔ながらの建物が残るエリアです。
中央を縦横に走る緑地の謎

まずは中央の道路から攻めていきましょう。
消防団のマスコットがお出迎え。ネズミなのか、クマなのか。クマウスと名付けよう。
花壇や畑を挟んで道路が走っています。
新花町の区画を縦横に交差するこの緑地は、実は「火よけ地」として設けられたものだそうです。

柏崎の花街はもともと西本町にあったが、風向きが悪く火災が頻発。
1911年の大火を契機に県の許可を得て現在の新花町に移転し、遊郭や料理店が整備された。その際、火災防止のため町の中央部には幅広い火よけ地が設けられた。
横に走る緑地はこのように花壇や畑として活用されていて、縦に走る緑地の半分は公園、半分は駐車場といった具合に分かれています。


風情ある料理店と味のあるスナックが多い
道沿いには料理店や旅館、スナックが並んでいます。
駅チカでもない住宅街に、こんなに店舗が密集しているのはなんだか不思議。




タイ料理のコアタイさんは、柏崎を代表する有名なお祭り、えんま市でパッタイをいただいたんですが激ウマでした!お店見つけられて良かった。
というか歩いていて気づいたんですが、なぜかタイのお店が多い。
柏崎とタイってなにか交流があるのかな?
花街を見守る金刀比羅宮

通りを抜けると金刀比羅宮にたどり着きました。

1911年の桐油屋家事を契機に、県からこの地に貸座敷運営許可が与えられ、
四国讃岐の本殿より遷宮されたこの金刀比羅宮を基点に、遊郭や料理店などが新たに建設されたということが書かれています。

周辺にも趣深いお店がたくさん
中央道路を一通り歩いたので、次は外周。
こちらも昭和レトロ満載のノスタルジーな世界が広がっています。




なかなか味わい深い風景が続きます。
もっとじっくり散策したかったですが、残念ながら小雨が降ってきたので足早に戻ります。
新花町の区画からははみ出しますが、お隣の諏訪町でも素敵なお店が目につきます。



ひときわ大きな廃墟に目を引かれました。4~5階建てくらいでしょうか。
赤茶色に色あせた外壁、凸凹した特徴的な外装、さび付いた看板・・・とってもノスタルジー。
調べてみると温泉旅館だったようです。
新花町は遊郭が禁止された後、石油開発の際に掘り当てた温泉を活用して湯の町へと生まれ変わった歴史があるとか。
残念ながら正面は大きなフェンスに囲まれていて中の様子は見えず、斜めから看板をパシャリ。
7月に訪れた方の写真を見るとフェンスは無かったので、最近取り壊される準備が始まったのかもしれません。
廃墟好きとしてはもったいないような気がしますが、周辺住民の方の安全を考えるとそんなことは言ってられませんね。
帰り道の本当に最後の最後で、ドストライクなスナックに出会いました。


まだ営業されているのかな?できることならぜひお邪魔してみたいです。