1,000年続く伝統行事、越後の「牛の角突き」を観戦!

皆様、牛の角突きってご存じですか?
いわゆる「闘牛」と呼ばれるものですが、新潟県小千谷市の「牛の角突き」は、国の重要無形民俗文化財に指定されている伝統行事。
その始まりは600年以上前、一説には1,000年以上前ともいわれているそうで、滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」にも記述があるそうです。
というわけで、今回は小千谷市闘牛場で牛の角突きを観戦してきました!
- 1,000年続く伝統行事、越後の「牛の角突き」を観戦!
- 闘牛場に初めて足を踏み入れる2025年秋
- 結果はすでに決まってる!?越後の角突きは「引き分け」が原則
- ベテラン勢は1トン越え!中盤以降は鼻縄無しで試合も激化
- 戦い終えて、ファンサも完璧なスター牛
- まとめ
- 基本情報・アクセス
闘牛場に初めて足を踏み入れる2025年秋
小千谷の角突きは正午から開始。
駐車場には県外ナンバーが次から次へと入庫してきて、角突きの人気度が伺えます。
駐車場から闘牛場へ向かう道の途中では、出場選手たちが精神統一中。。

写真では少し伝わりづらいかもですが、とにかくでかい!
というか四角い!
これで向かってこられたら敵わないなと、本能的に諦めさせてくる圧を感じます。

趣ノスタルジア
そんな牛たちを眺めながら、徒歩2~3分で闘牛場に到着。
入場料2,000円をお支払いして入場します。

中央空間を取り囲むように客席が置かれ、まさに”闘牛場”という雰囲気。
対面の屋根付き席は埋まっていたので、屋根無し席に腰を下ろしました。
真夏は厳しそうですが、今頃(10月)の秋の涼しい季節には良いですね。
この日は曇天だったのでなおさら快適でした。
お昼ということもあり、昼食をいただきながら試合開始を待ちます。
闘牛場の外にはキッチンカーや屋台が出ていてお祭りのようでした。
今回は名物(と書かれていた)「赤飯弁当」をチョイス。小さいお茶付きで500円。

中を開けると意外な色が・・・

赤飯なのに赤くない!!
長岡を中心とした中越地方は、この醤油赤飯がメジャーなんですよね。
赤飯というよりおこわのような感じで、スタンダードな小豆の赤い赤飯とはまた違った美味しさです。
赤飯は苦手なんだよな~って人こそ食べてみてほしい!
私は正直、普通の赤飯よりもこちらの醤油赤飯の方が好みです。
結果はすでに決まってる!?越後の角突きは「引き分け」が原則
お腹も満たされたところ、いよいよ取り組みが開始。
受付時に配られた取り組み表に沿って進行していきます。

趣ノスタルジア
場外から「勢子(せこ)」と呼ばれる法被姿の男性陣に連れられて入場。

ぶもー!!という鳴き声を上げながら、気合十分で次に入ってくる対戦相手を待ち構えていました。
序盤の取り組みはまだ角突き歴の浅い、若い牛たちの戦いです。
そのため鼻に綱をつけながらの試合になります。

「闘牛」という字面から、スペインの闘牛のような牛を危険な目に合わせる想像をされる方がいるかもしれません。
「牛同士で戦わせるの?負けた方はケガとかしないの?」という、心優しい方もいらっしゃるでしょう。
実は、越後の角突きは「引き分け」で終わらせる決まりになっています。
勢子の方々が牛の周りを囲み、興奮した牛が相手を傷つけてしまう前に、絶妙なタイミングで引き離します。
牛よりもむしろ勢子さんの方が命がけだと思います・・・。
勢子さんも手を叩きながら、「よしたぁー!」の声で牛たちに発破をかけます。
ちなみに「よしたー」は「よくやった」という意味らしいです。
その声に応えて激しく頭をぶつけ合う若牛たち。

ベテラン勢は1トン越え!中盤以降は鼻縄無しで試合も激化
いよいよ、推し(?)のバッファ郎の登場です。
結構サクサクと試合が進んでいきます。

ちなみにバッファ郎は、牛持ち(オーナーのようなものでしょうか?)が南魚沼市の『肉処バッファロー』さんが名付けた名前だそうです。

バッファ郎も飛夢皇も5歳。若さゆえに力強さと勢いがあります。

リング(?)ぎりぎりまで牛が来ることも。観客も思わずのけぞってしまう迫力です。
この試合も無事に引き分けで終わりました。
取り組みが後ろになっていくにつれて、年齢も上がり、重量も上がっていきます。
1トン越えの超大物も続々登場!

周りで見守る勢子さん達の「よした~!」の声にも力が入ります。
角の当たる音なのか、頭同士がぶつかる音なのか、
「ゴリッ・・・ゴリッ・・・」と鈍い音が会場全体に響きます。少し距離のある客席でも聞こえたのには驚きました。

ベテランの証なのかな?
後半の牛たちは立派な面綱を付けていて貫禄があります。

お相撲さんの化粧まわしのようでかっこいい!
中には興奮冷めやらなかったのか、客席に向かって一蹴り入れてくる、血気盛んな牛も。(勢子さんが上手にコントロールして、誰にも当たりませんでした)
少しヒヤッとしましたが、周りの皆さんもファンサと捉えてにっこり。

牛にとって鼻の穴は弱点なので、どんなに興奮した闘牛達も上手く鼻を取ってしまえばたちまち落ち着くみたいです。
でも取るまでが大変で、勢子さん方が大きな闘牛に立ち向かっていく姿は毎回スリル満点!そこも一番の盛り上がりポイントですね。
見事引き分けに終わった後は、牛と勢子さんに向けて大きな拍手が起こります。
あっという間に最後の取り組みになってしまいました。
順ノ下 対 朝日の勝負。順ノ下はなんと14才の大ベテラン。対する朝日も10才の手練れです。

パワー、スピード、テクニック・・・全て兼ね備えた頂上決戦!
この躍動感伝えたいけど、私の弱小カメラスキルではブレまくりです!!(涙)


勢子さん達も命がけで、至近距離から決着の時を見極めます。相当怖いよなぁ・・・。
おかげさまで、すべての勝負が無事「引き分け」で終了しました。
戦い終えて、ファンサも完璧なスター牛
大トリを飾った順ノ下と朝日の二頭は、そのまま観客たちの見送りまで務めてくれました。
牛持ちさんから許可をいただいて、撫でさせていただくことに。


二頭ともついさっきまで角を突き合わせていたとは思えないほど穏やかで、可愛らしい瞳をしています。
毛並みもきれいで、日々どれだけ大切に育てられているのかが伝わってきます。
まとめ

闘牛と聞くと「荒々しい」「怖い」イメージを持つ人も多いかもしれません。実際、私も見る前までは少し怖かったです。
しかし小千谷の牛の角突きは、人と牛、そして地域がひとつになって守り続けてきた“共存の文化”。
そこにあるのは勝ち負けではなく、互いを尊重し合う心でした。
実は、昭和30年代から50年代にかけて、一度途絶えてしまっていたこの伝統。
それでも地元の有志たちによって、再び息を吹き返したそうです。
さらに中越大震災という大きな試練をも乗り越え、今も変わらずこの地で受け継がれていることに、地元の方々の”角突きへの深い愛”を感じました。
力と優しさ、そして人の想いが息づく越後の伝統行事。
2025年度はいよいよ次回11月2日(日)が千秋楽。
秋のお出かけにぜひ訪れてみてください!
以上、趣ノスタルジアでした。
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基本情報・アクセス
小千谷闘牛場
公式サイト:観光|小千谷 牛の角突き 公式ホームページ
住所:新潟県小千谷市小栗山2453
入場料:全席2,000円
開催日程:2025年度
5/3(土)、6/1(日)、7/6(日)、8/10(日)、9/13(土)、10/5(日)、11/2(日)
開始時刻:12:00
駐車場:有り
アクセス
車: 小千谷ICより約25分
バス:開催日はシャトルバスの運行有り(片道500円)
詳細は公式ホームページでご確認ください。
※2025年10月8日現在の情報です。
急遽変更になる場合がございます。お出かけの前に、必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。